さ い た ま 市 役 所・移 転 決 ま る
議 場 に 拍 手
 さいたま市役所(埼玉県浦和区常盤6丁目)の移転が決定した。令和4年4月28日 午前10時過ぎに開会した市議会4月臨時会は15時間を超える長丁場に。記名投票は 29日未明に始まり、採決結果を受けて議場に拍手が起きた。市合併以来の20年にわ たる「最後の課題」とされ、市議らは「感無量」「ゴールではなく、スタート」と 評価した。
        ◆移転決定した住所地は「大宮区北袋町一丁目」
 議案を審議した総合政策委員会では、さいたま自民から「将来的に、さいたま市役所の所在地については、さいたま新都心にふさわしい住居表示の実施を検討すること」とする付帯決議案が提出された。
 さいたま市は2001年5月、浦和、大宮、与野の旧3市が合併して誕生した。当時、浦和と大宮による主導権争いがあり、00年9月に調印された合併協定書では、新しい市役所の位置について「さいたま新都心周辺地域が望ましい」とし、「与野(中央区)」を想定していた。
 移転決定した住所地は「大宮区北袋町1丁目」のため、浦和と大宮の争いに終止符を打つとして、付帯決議が提案された。付帯決議が採択されたことで、移転に慎重や反対だった浦和地域選出の市議ら8人が賛成に回ったという。
 共産や無所属の市議は本会議で反対討論を行った。近隣住民への説明会が4月に実施された3回だけで、地元の合意形成がないままに採決されたとして、「住民不在」と指摘。重要な議案の審議に、臨時会の日程を1日だけとしたことについても批判した。 臨時会の審議が長引いたため、29日までの延長を決定。記名投票は午前1時25分ごろから始まり、午前1時40分ごろ、採決結果が発表され、議場には拍手が起きた。
 阪本克己議長(民主改革)は閉会あいさつで、「長時間にわたり、市役所の位置を変更する議案が審議、可決された。本庁舎の位置は本市誕生より、重要な課題として、検討を重ねられてきた。市の象徴となる新庁舎がさいたま市全域の発展に大きく寄与し、本市が目指す将来像の実現に資するものとなるよう、関係各位に引き続きご尽力をお願い申し上げます」と述べた。
 市庁舎等整備検討特別委員長で、さいたま自民団長の鶴崎敏康市議は、合併協定書の策定に関与していただけに、「感無量。20年の疲れがどっと出た。最後の宿題で、一番難しい問題だった。合併が本当の意味で完成した」と取材に応えた。今後については「浦和と大宮の争いではない。10区が全て輝くさいたま市をつくれるスタートとなり、本格的にまちづくりを議論していく」と語った。
 3分の2を大きく上回る48人が賛成票を投じた。民主改革団長の三神尊志市議は「多数の賛成を持って可決できたことは非常に大きかった。議会として前向きに取り組める。この議決がゴールではなく、スタート。一つのさいたま市の将来に向けて、議論を深めていきたい」と話していた。

◆ さ い た ま 市 新 庁 舎 移 転 の 経 緯 ◆

1976年2月
現庁舎が完成(浦和市役所)

2000年9月
合併協定奮を調印。市庁舎の 位置ついて、さいた新都心 周辺地域が望ましいとの意見

2001年5月
浦和、大宮、与野の旧3市が 合併し、さいたま市が誕生

2005年4月
旧岩槻市が合併

2009年5月
清水勇人市長が初当選

2018年5月
市本庁舎整備審議会がさいた ま新都心駅周辺(半径800m 圏内)が最も望ましいと答申

2019年2月
現庁舎の耐震補強工事が完了

2019年12月
市が新都心の3ヶ所を移転候 補地に選定

2021年2月
清水市長がさいたま新鮮心バ スターミナルほか街区(大宮 区北袋町1丁目)に、10年後 をめどに移転を目指すと表明

2021年5月
清水市長が4選

2021年12月
新庁舎整備等基本構想を策定

2022年4月
市役所の位置に関する条例改 正案提出。特別多数議決で移 転が決定


◆市役所の位置条例改正案への市議の投票行動(敬 称略)

【同意(賛成】
出雲圭子、小川寿士、神崎功、小 柳嘉文、佐伯加寿美、阪本克己、添野ふみ子、高野秀 樹、高柳俊哉、武田和浩、伝田ひろみ、土井裕之、冨 田かおり、西山幸代、浜口健司、松本翔、三神尊意
(以 上民主改革)

石関洋臣、稲川智美、井原隆、江原大輔、 金井康博、川崎照正、渋谷佳孝、島崎豊、新藤信夫、 高子景、鶴崎敏康、土橋勇司、中島隆一、中山欽哉
(以 上さいたま自民)

上三信彰、神坂達成、小森谷優、斉 藤健一、関ひろみ、照喜納弘志、西沢鈴子、服部剛、 松下壮一、谷中信人、吉田一志
(以上公明)

青羽健仁、 新井森夫、伊藤仕、玉井哲夫、都築龍太
(以上自民さ いたま)

吉田一郎
(無所属)

【反対】

金子昭代、神田義行、久保美樹、竹腰連、 鳥羽恵、鳥海敏行、松村敏夫
(以上共産)

川村準、帆 足和之
(以上無所属)

【退席】
野口吉明
(さいたま自民)

桶本大輔、萩味 章弘
(以上自民さいたま)


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